映画『超かぐや姫』を観て、
「伏線があるのは分かったけど、結局この映画は何を描きたかったの?」
と感じた人も多いと思います。
なんとなく雰囲気は分かる。
でも、テーマを一言で説明しろと言われると難しい。
ラストもスッキリしない。
だからこそ、
この映画は
「考察したくなる人」と
「よく分からなかった人」
で評価が大きく分かれます。
この記事では、
伏線を踏まえたうえで、
・なぜ評価が分かれるのか
・物語の構造はどうなっているのか
・この映画が本当に描きたかったテーマは何か
を、できるだけ噛み砕いて考察していきます。
本記事は、伏線を踏まえたうえでの考察になります。
まだ伏線を整理していない場合は、
▶ 超かぐや姫の伏線まとめ記事
を先に読むと、理解しやすくなります。
映画『超かぐや姫』はどんな作品か
まず前提として、
『超かぐや姫』は
分かりやすいエンタメ映画ではありません。
起承転結がはっきりしていて、
最後にカタルシスがある、
そういうタイプではない。
どちらかというと、
・説明を削る
・感情を言語化しない
・答えを提示しない
という作りになっています。
この時点で、
合わない人にはとことん合わない映画です。
なぜ評価が大きく分かれるのか
「分からない=つまらない」と感じやすい構造
多くの映画では、
観客が理解しやすいように
感情や理由が説明されます。
でも『超かぐや姫』は、
その“補助線”をほとんど引きません。
そのため、
・なぜそうなったのか
・どういう気持ちなのか
を自分で補完する必要があります。
ここで
「考えるのが楽しい」と感じる人と、
「置いていかれた」と感じる人に
はっきり分かれるんですね。
評価が割れるのは欠点ではない
よく
「賛否が分かれる=失敗作」
のように言われがちですが、
この映画に関しては少し違います。
そもそも、
全員に同じ感想を持たせることを
最初から狙っていない。
むしろ、
感想が割れること自体が
この作品の性質だと言えます。
ここまで読んでも、
「それでも合わなかった」「正直ひどいと感じた」
という人もいると思います。
そう感じてしまう理由については、
▶ 超かぐや姫はひどい?意味不明?の記事
で、感情面から整理しています。
物語構造から読み解くテーマ
竹取物語の“現代的な再解釈”
タイトルからも分かる通り、
本作は『竹取物語』がベースになっています。
ただし、
昔話をそのままなぞっているわけではありません。
かぐや姫=
「特別な存在」「選ばれた存在」
として描かれる一方で、
本人はどこにも居場所を感じられない。
このズレが、
物語全体の軸になっています。
主人公が常に“浮いている”理由
主人公は、
どの場所にいても
どこか馴染めていません。
人に囲まれていても孤独。
期待されていても満たされない。
これは、
外から与えられた役割と、
自分の本心がズレている状態
を表しています。
伏線記事でも触れたように、
感情が抑えられているのは、
そのズレを直視しないための防御
とも考えられます。
登場人物たちの役割を考える
周囲の人物は「答え」をくれない
周りのキャラクターは、
主人公に何かを教えてくれる存在ではありません。
正解を示してくれる人もいなければ、
明確に導いてくれる存在もいない。
これは、
人生において
「誰も正解を教えてくれない」
という状況を、そのまま表しています。
だからこそ、
観ている側も
不安になります。
人間関係が希薄に感じる理由
人間関係が薄く感じるのも、
意図的です。
深く踏み込めない関係性は、
主人公自身の心の距離感を
そのまま反映しています。
この距離感に耐えられないと、
「キャラが浅い」「感情が分からない」
という印象になりやすいです。
ラストシーンの解釈
はっきりした答えを出さない結末
ラストでは、
物語が一応の区切りを迎えますが、
すべてが解決するわけではありません。
むしろ、
モヤっとした感覚が残ります。
でもこれは、
投げっぱなしではなく、
「答えは一つじゃない」
というメッセージでもあります。
観る人の立場で意味が変わる
この映画のラストは、
観る人の立場によって
まったく違う意味を持ちます。
・自由を選んだ話
・逃げた話
・自分を取り戻した話
どれも間違いではありません。
答えを一つに固定しないことで、
観客自身の価値観が
浮き彫りになる作りになっています。
この映画が刺さる人・刺さらない人
刺さりやすい人
・考察するのが好き
・余白のある作品が好き
・スッキリしなくてもOKな人
こういう人には、
じわじわ来るタイプの映画です。
刺さらない人
・分かりやすい展開が好き
・感情移入を重視する
・エンタメ性を求めている
こうした人が
「意味不明」「ひどい」と感じても、
それは自然な反応です。
まとめ|超かぐや姫は“答えを押しつけない映画”
『超かぐや姫』は、
分かりやすいメッセージを
提示する映画ではありません。
伏線も、
考察も、
すべては
観る側に委ねられています。
だからこそ、
「意味不明だった」という感想も、
「深い映画だった」という感想も、
どちらも正解です。
次の記事では、
この映画が
なぜ「ひどい」「つまらない」と
言われやすいのかを、
感情面・構造面から整理していきます。
伏線・考察・否定的な感想まで含めて、
全体像を整理したまとめ記事はこちらです。
▶ 超かぐや姫まとめ記事
